GPSウォッチは走った距離や時間、ランニングペースなどがわかりとても人気ですが、種類も多く、モデルごとの違いが分かりにくいという難点があります。
しかも、ものすごいスピードで進化している分野なので、数年前の最新機能が現在はもう古いということもよくあります。
そこで今回は、初めてGPSウォッチの購入を検討している人、久しぶりに買い替えようと思っている人向けに、最新の失敗しないGPSウォッチの選び方を紹介します。
また、後半には各メーカーのエントリーモデルを徹底比較していきますので、ぜひご覧ください。
GPSウォッチの選び方
①軽量モデルを選ぼう
初めてGPSウォッチを使うなら、絶対に軽量タイプをおすすめします。
日常生活だけでなく、ランニング中に画面を確認するにも軽い方が使いやすいです。また、レース後半に時計をしている腕が下がってフォームが崩れるということもありません。
②価格は2~3万円前後がおすすめ
GPSウォッチを購入するなら、価格帯2~3万円前後の時計をおすすめします。
安すぎるGPSウォッチは、故障に対する保障もなく、GPSの精度が劣ることが多いためおすすめしません。
また、使うのは主にランニング、という人であれば最初は高価なモデルでなくても十分です。
③発売日は要チェック
GPSウォッチを選ぶ際、発売日も調べると良いでしょう。
先述の通り、GPSウォッチの進化は目覚ましいものがあり、同メーカー・同価格でも旧タイプモデルは性能が劣ることがよくあります。
最新とうたう有名ECサイトのGPSウォッチ記事でさえ、5年以上前に人気だった旧モデル(現在はほぼ化石化)をおすすめしていたりするので、注意しましょう。
④バッテリー性能は×0.8で考える
フルマラソンやウルトラマラソン、トレイルランニングなどをしている人はもちろん、 充電が面倒という人はバッテリー性能の高いものを選びましょう。
また、メーカーから発表されているバッテリー稼働時間は、いわば車のガソリンの燃費(国土交通省審査値)のようなもの。
使用する機能、気温、バッテリーの古さなどによって稼働時間は短くなりますので、余裕をもって選ぶといいでしょう。
⑤衛星測位システムは複数対応がおすすめ
場所の情報を正確に記録したいなら、対応する衛星の種類が多いものを選びましょう。
GPSウォッチはGPS、GLONASS、Galileo、みちびきなどの衛星から信号を受信し、場所のデータを取得しています。
しかし、GPSウォッチのよって、
- GPSの信号だけをキャッチするもの
- GLONASSやみちびき等 複数の信号をキャッチするもの
があり、複数対応の時計の方が、GPS単体対応のものより正確に位置を補足できる傾向にあります。
⑥音楽保存と音楽コントロールの違い
音楽機能には大きく分けて二つの種類があるので、違いに注意しましょう。
一つは、スマートフォンで再生されている音楽を再生、早送りなどコントロールするリモコン機能を持つモデル。
もう一つは、時計に音楽を直接ダウンロード(保存)可能で、スマートフォンを携帯しなくても音楽を聴くことができるモデルです。
音楽をダウンロードしようと思ったら、音楽保存できないモデルだった… ということにならないよう、違いをよく理解しておきましょう。
⑦使用目的にあっているか?
これまで紹介してきたGPSウォッチ選びの基準の他にも、モデルによっては「売り」となる特徴を持つ時計があります。
例をあげると、
- ランニングのフォームの分析ができるモデル
- マウンテンスポーツやスイムに対応するモデル
- 心拍計測ができるモデル
- Suicaなど電子ウォレットに対応しているモデル
- フィットネスワークアウトのアニメーションをウォッチ上で見られるモデル
など。
以下の比較では、それぞれのモデルの特徴も紹介していますので、自分の使用目的にあったGPSウォッチを選びましょう。
初心者用エントリーモデルを徹底比較!
GPSウォッチの初心者用エントリーモデルを紹介!
機能を徹底比較していきます。
ForeAthlete 45/45S(GARMIN)
2019年8月発売のForeAthlete45は、GARMINのランナー向けシリーズForeAthleteのエントリーモデルです。
手首で心拍数を計測し、GPSを使ってペースや距離などのデータを追跡します。
無料のGarminコーチを使えば、自分に合ったトレーニングプランをダウンロードすることも可能。
事故などが起きたとき、自分の位置情報を登録した人に送信するセーフティ機能もあります。
その他、睡眠の長さや質を計測するスリープモニタリング、
日々の歩数、移動距離、 継続的な心拍計測、 消費カロリー、ストレスレベルなどを計測するライフログ機能も充実。 体の疲労度が一目でわかるボディバッテリー残量も人気です。
サイズ | 42.3 x 42.3 x 12.2 mm 39.5 x 39.5 x 11.4 mm(s) |
重量 | 36g / 32g(s) |
解像度 | 208 x 208 ピクセル |
防水機能 | 50m防水 |
動作時間 | スマートモード 7日間 GPSモード 11時間 |
衛星測位 | GPS/みちびき/GLONASS/Galileo |
ForeAthlete 245 music(GARMIN)
ForeAthlete 245 musicは、 2019年5月発売以来、常にAmazonランキング上位を誇る大人気モデルです。
ForeAthlete 45の機能に加え、上下動、左右のバランス、接地時間などフォームの解析する機能も搭載(要別売:ランニングダイナミクスポッド)
トレーニング後の回復時間を教えてくれたり、有酸素および無酸素のトレーニング効果でトレーニングを評価してくれます。
また、ForeAthlete 245 musicは、音楽を時計に最大500曲保存可能。Bluetooth対応のイヤホンを併用すれば、スマートフォンなしで音楽を楽しめます。
なお、同時に発売されたForeAthlete 245は音楽をダウンロードすることはできず、再生コントロールのみのモデルです。
大会に向け、しっかりトレーニングしたい人におすすめです。
サイズ | 42.3×42.3×12.2mm |
重量 | 38.5 g |
解像度 | 240 x 240 ピクセル |
防水 | スイム、5 ATM |
稼働時間 | スマートウォッチモード:最大7日間 GPS+音楽モード:最大6時間 GPS+音楽なし:最大22時間 |
衛星測位 | GPS/みちびき/GLONASS/Galileo 4測位システム対応(アシストGPS対応) |
HUAWEI WATCH FIT(Huawei)
GPSランニングウォッチの中でも、ダントツにコスパが抜群なのがこのHUAWEI WATCH FIT。
2020年10月に発売された最新モデルで、できるだけ安くGPSウォッチを試してみたい、という人におすすめなモデルです。
心拍計搭載で、睡眠やストレスをモニタリング。 さらに、2021年1月のアップデートで、血中酸素レベルの24時間モニタリングが可能になりました。
96種類のワークアウトモードが搭載されているので、専門的なアクティビティの記録もできます。衛星測位システムはGPS/GLONASSの2種類。
バッテリー1日分の充電時間は約5分と高速充電が可能です。音楽はコントロールのみ可能。
サイズ | 約46mm×約30mm×約10.7 mm |
素材 | 耐久性のあるポリマー繊維 |
重さ | 約21 g (ストラップ含まず) |
耐水設計 | 5ATM |
解像度 | 456 x 280 |
バッテリー稼働時間 | 通常使用:約10日間 連続GPSモード:約12時間 |
衛星システム | GPS / GLONASS |
Apple Watch Series 3(Apple)
高機能なのにコスパの良いApple Watch Series 3。
発売日は2017年9月とかなり前ですが、 その後発売された第4世代、第5世代は廃盤で、Apple Watch Series 3(第3世代)だけが現行モデルとして残っている事実からも、完成度の高いモデルであることが分かります。
アップル純正のワークアウトアプリはもちろん、RuntasticやRunkeeper、Nike+ Run Clubに対応。
Apple Payが使え、Apple Musicで7,000万曲がストリーミングできるのも、appleならではの機能といえるでしょう。音楽のダウンロードもできます。
時計に対して、ディスプレイ部分は小さめ(黒い縁がある)ですが、価格も下がっているのでiphone利用者にはおすすめです。
サイズ/重量 | 42mm:32.3g~52.8g 38mm:26.7g~42.4g |
解像度 | 42mm:312 x 390ピクセル 38mm:272 x 340ピクセル |
防水 | 50メートル |
稼働時間 | 18時間 |
衛星測位 | GPS/GLONASS/みちびき/Galileo |
IGNITE(POLAR)
IGNITEは、ポラール初のフィットネス系のGPSウォッチとして、2019年7月に発売されました 。
継続的な心拍計測により、睡眠の質を細かく分析し、日中の負荷からどれだけ夜に回復できたか表示します(ナイトリーリチャージ)。
毎日自動で更新されるFitSpark™ デイリートレーニングガイドは、筋力/カーディオ(心拍)/サポーティブ(体幹)の3タイプのワークアウトを提案してくれるので、自宅で体を動かしたい人におすすめです。
また、スポーツは100種目以上に対応。プールでも、心拍数・泳法・距離・ペース・ストローク数・休憩時間を自動的に検出します。
ただし、音楽機能はありません。
サイズ | 43 x 43 x 8.5mm |
重量 | 35g |
解像度 | 240×240 ピクセル |
防水機能 | 30m防水 |
動作時間 | トレーニングモード 17時間 |
衛星測位 | GPS/みちびき/GLONASS/Galileo |
Vantage M(POLAR)
VANTAGE Mは、VANTAGEシリーズのエントリーモデルとして、2019年3月に発売されました。
ランニング、バイク、スイム(プール/野外)、トライアスロン、トレイルラン、トレッキングなど、130以上のスポーツに対応するマルチスポーツモデルです。
継続的な心拍計測により、正確な消費カロリーやトレーニング効果に加え、睡眠モニターや夜間の回復度も確認できます。
また、同メーカーIGNITE同様、日々ワークアウトを提案してくれる、FitSpark™ デイリートレーニングガイドも搭載しています。
ナビゲーションはスタート地点に戻るのみ、音楽機能は搭載されていません。
サイズ | 46 x 46 x 12.5 mm |
重量 | 45g |
解像度 | 240 x 240 ピクセル |
防水機能 | 30m防水 |
動作時間 | ウォッチモード 5日間 トレーニングモード 30時間 |
衛星測位 | GPS/GLONASS |
VENU SQ music(GARMIN)
VENU SQ musicは、GPS内蔵のアクティブトラッカーVENUシリーズのエントリーモデルとして2020年12月に発売されました。
VENU SQ musicの特徴は、低価格でありながら、キャッシュレス決済や音楽ダウンロード(最大500曲)が可能なこと。
心拍計測は、24時間継続的に行われ、ライフログ機能、スリープモニタリング機能も充実しています。
ランニングなどのスポーツも同価格帯のForeAthlete 45と同じように距離やペースを記録しますが、GPSの捕捉が遅めなので、普段使い中心の方におすすめです。ナビゲーションはスタートに戻るのみ。
なお、音楽保存機能がないモデルVENU SQも同時発売されています。
サイズ | 40.6 x 37.0 x 11.5 mm |
重量 | 37.6 g |
解像度 | 240 x 240 ピクセル |
防水機能 | 50m防水 |
動作時間 | スマートモード 6日間 GPSモード 14時間 |
衛星測位 | GPS/みちびき/GLONASS/Galileo |
Instinct(GARMIN)
2018年11月発売のInstinctは、Instinctシリーズのエントリーモデルで、気圧センサーと電子コンパスが搭載されています。
また、アメリカの軍用基準MIL-STD-810Gをクリアした耐衝撃性、耐熱性、耐水性、耐凍結性を持ち、過酷な環境でも安心して使用可能。
ランニングなどのトレーニング中に、同じルートでスタート地点に導いてくれるトラックバックなど、ナビゲーション機能も搭載しています。
音楽機能はありませんが、継続的な心拍計測やスリープモニタリング、歩数計測などライフログ機能も充実しています。
マウンテンスポーツにおすすめです。
サイズ | 45.0 x 45.0 x 15.3 mm |
重量 | 52g |
解像度 | 128 x 128 ピクセル |
防水機能 | 100m防水 |
動作時間 | スマートモード 14日間 GPSモード 14時間 |
衛星測位 | GPS/みちびき/GLONASS/Galileo |
SUUNTO 5
2019年5月発売のSUUNTO 5は、スント製品ならではの格好良さが光るアウトドアウォッチです。
カスタマイズ可能なスポーツモードは80種類以上。
体の状態やトレーニングの進度等によって自動生成される7日間のトレーニングプラン:アダプティブトレーニングガイダンスが特徴的で、
有酸素運動能力を維持、改善、またはブースト(飛躍的に向上)させるための3種類のプログラムが表示されます。
毎日のアクティビティ、ストレスレベル、睡眠の質も追跡可能。心拍計測は24時間継続的に働きます。
スマートフォンのメッセージなどは表示しますが、音楽機能は搭載されていません。
サイズ | 46 × 46 × 14.6 mm |
重量 | 66g |
解像度 | 218 x 218 ピクセル |
防水機能 | 50m防水 |
動作時間 | 活動量計+ペアリング 7日間 GPSモード 20時間 |
衛星測位 | GPS/みちびき/GLONASS /Galileo/BEIDOU |
スポーツモード | 80種類以上 |
TicWatch S2(Mobvoi)
2019年3月発売のTicWatch S2は、アメリカの軍用規格810G認証の高い耐久性と堅牢性を持ったスポーツモデルです。
Googleも出資しているメーカーの製品で、Wear OS by Googleを搭載。
Google Assistant、Google Playストア、Google Fitなどの機能が使えます。(スマートウォッチのGoogle Payは、まだ日本では使用できません。)
また、走り出すと自動でトラッキングする機能 TicMotionを搭載。睡眠にもこの機能があり、24時間アクティビティを記録します。
衛星測位システムはGPS、GLONASS、Beidouの3種類に対応しています。
サイズ | φ46.6×12.9(mm) |
重さ | 52.7g |
耐水設計 | 5 ATM (水泳用、最大50メートル) |
解像度 | 400×400 |
バッテリー稼働時間 | 最長2日間 |
衛星システム | GPS/GLONASS/Beidou |