SUUNTO 7レビュー!公式では分からない短所と長所

スントウォッチで初めてWear OS by Googleを搭載したスマートウォッチ「SUUNTO 7(スント7)」。

米Qualcommのウェアラブル向けプラットフォーム「Snapdragon Wear 3100」
も採用し、これまでのスポーツウォッチ中心の生産から、本格的なスマートウォッチ化へ舵を切ったのではないかと注目されています。

出典:SUUNTO

そこで、本サイトもSUUNTO 7を購入、ランニングにライフログに普段使いにと徹底的に使用してみました。

公式サイトのデータや詳細からは見えてこなかったSUUNTO 7の特徴をとことんレビューします。

SUUNTO 7レビュー~特徴&ホントのところ~

それでは、これまでのSUUNTO5やSUUNTO 9とは似て非なるスマートウォッチ「SUUNTO 7」の特徴をみていきましょう。

超高輝度OLEDタッチセンサーディスプレイ

SUUNTO 7のディスプレイには傷が付きにくいGorilla®ガラスを採用。

充電はマグネット式の付属USB ケーブルを使いますが、 USB 電源アダプターと電源コンセントでも可能です。

ディスプレイはOLED(有機EL)ディスプレイを採用。解像度も454 x 454と、発色・視認性共に申し分ありません。

SUUNTO 5の解像度は218 x 218、SUUNTO 9は320 x 300なので、 昼夜問わず本当に見やすくなりました。

タッチスクリーンとボタンによる操作が可能で、手袋装着時やタッチスクリーンが反応しにくい環境下でもストレスなく画面を切り替えることができます。

ウォッチフェイス

SUUNTO 7にプレダウンロードされているウォッチフェイスは以下の4種類です。

ウォッチフェイスを長押しすることで簡単に変更できます↓

なお、ウォッチフェイスに表示される日付などの情報や機能は変更可能です。

google playのウォッチフェイスアプリが利用できるので、これまでのスントウォッチと比較にならないほど数多くのデザインを楽しむことができます。

バッテリー稼働時間

Suunto 7の弱点の一つは、このバッテリー稼働時間です。

使うアプリや機能によって、稼働時間が異なりますが、スマートウォッチの通常使用で最大2日間程度なので、ほぼ毎日充電しなければなりません。

その他の稼働時間の目安は以下の通りです。

  • ワークアウト+音楽・・・ GPS使用で最大8時間
  • トレーニングマップ・・・ GPS使用で最大7時間
  • ウォッチフェイスのみ・・・ バッテリーセーフモードで最大40日間

バッテリーを長持ちさせるコツは、こまめにバッテリーセーフモードを使用すること。

フル充電に要する時間は約100分でした。

SUUNTO 7のランニング機能(スントアプリ)

SUUNTO 7にはgoogleのアプリもたくさんありますが、ランニングやウォーキング、その他のトレーニングをしたいときは、機能が充実しているスントアプリでの記録を強くおすすめします。

スントアプリは、右上のボタンを押して開きます。

「スタート」をスライドしてトレーニング開始。 衛星測位はGPS、Glonass、みちびき、Beidouに対応しています。

ランニング中の表示は、

  • 現在時刻
  • 走行距離
  • 心拍数
  • ペース
  • 走行時間

高度や高度の変化については、GPSデータだけでなく気圧センサーも組み合わせて測定(FusedAlti™)するので、誤差が小さくなりました。

オフラインのアウトドアマップ

また、スントアプリの強みのひとつがオフラインのアウトドアマップ表示機能です。

通常、地図を表示させるにはスマートフォンとの接続が必要ですが、SUUNTO 7ではオフラインでも使用できるよう、選択したエリアの地図を時計にダウンロードできます。

スライドしてオフラインエリアを選択

ランニング時にスマートフォンを携帯しなくても地図を確認できるのは、かなり便利でした。

走ってきたルートが赤く表示されるので道に迷うことなくスタート位置に戻ることができましたし、

向かうべき方向やブロック数なども地図上で確認できました。

画像のような市街地マップの他、トレイルランや登山などの便利な「地形の詳細や等高線」を示した地図も表示可能です。

トレーニング履歴(ダイアリー)

ランニング後に保存したログは、ダイアリーで確認できます。

表示したいトレーニングを選択すると、以下の15項目を表示。

① 継続時間
② 距離
③ ペース(グラフ)

④ ケイデンス(1分間の回転数:2歩で1回転)
⑤ 自動ラップ

⑥ 心拍数(グラフ)

⑦ 心拍ゾーン(グラフ)

⑧ カロリー
⑨ 高度(グラフ)

⑩ 上昇
⑪ 下降
⑫ 歩数
⑬ 回復時間(推定リカバリータイム)

⑭ PTE(ピークトレーニング効果)

EPOCを元に推定される運動強度の客観的指標。

  • 1…体力回復効果あり
  • 2…体力維持効果あり
  • 3…体力向上効果あり
  • 4…高い体力向上効果あり
  • 5…過剰運動

⑮ EPOC(運動後過剰酸素消費量)

激しい運動後、酸欠状態になった身体を回復するために消費される酸素量 (ml/kg)

ちなみに、厚労省の文書で「安静状態を維持するために必要な酸素量」を 3.5ml/kg/分としていることから、安静時の1時間の酸素消費量は210(ml/kg) です。

3.5×60=210(ml/kg)

細かいトレーニング履歴も、 454 x 454ピクセルの高解像度ディスプレイが綺麗に表示してくれます。

70種類以上のスポーツモード

スントアプリで追跡できるスポーツは70種類以上。

バイク、水泳、登山、ウエイトトレーニングなど様々ですが、ランニング関係では

  • ランニング(基本機能)
  • トレイルラン
  • インターバル
  • レース
  • トレッドミル

の5種類から選択できます。

ただし、中にはバレーボールなど「どうやって使うだろう?」と思うスポーツもあり、全てのスポーツが本当に使えるかというとそうでもないようです。

音楽ダウンロード&再生機能

SUUNTO 7では、スマートフォン内の音楽アプリをコントロールするリモコン機能の他、曲を時計に直接ダウンロード・再生する機能もあります。

Bluetooth対応のイヤホンとSUUNTO 7を接続すれば、スマートフォンを携帯しなくても音楽を楽しみながらトレーニングすることができます。

その快適さからランニングには欠かせない機能です。

Wear OS​ by Google

SUUNTO 7の大きな特徴であるWear OS​ by Google(旧称 Android Wear)。

スマートフォンとSUUNTO 7を同期させることによって、様々な機能が使えるようになりましたが、改善してほしいと感じる点もいくつか見つかりました。

google Assistant

アシスタントへの指示が音声検索だけなので周りに人がいるとやや抵抗がありますが、歩数やスケジュールの表示を指示したり、ルート検索をしたりできます。

また、SNSやメールの受信もすぐに通知し、「手書き入力」や「キーボード入力」で返信が可能。

運転中の信号待ちなどスマートフォンを出しづらい状況下でもメッセージや絵文字を送信でき、利便性が高いと感じました。

また、Twitterの通知には「いいねする」ボタンもあります。

google Play ストア

ウォッチにはGoogle Play ストアもあり、気に入ったアプリをインストールできます。

SUUNTO 7はWi-Fi対応なので、スマートフォンやパソコンがなくてもインストールが可能です。

Wear OS対応のアプリのみですが、ウォッチフェイス、ゲーム、効率化アプリ、音楽ストリーミングなど様々で、

トレーニングに関するアプリはStrava、adidas Running、Nike Run Clubなどがあります。

google Fit

SUUNTO 7にはスント独自のライフログアプリがないので、ライフログはgoogle Fitでとることになっています。

しかし、一番残念だったのが、このgoogle Fitの心拍計測でした。

google Fitの心拍計測は「手動計測」および「バックグラウンドでの1日計測」が可能なのですが、

通常時「バックグラウンドでの1日計測」は10分ごとの計測を24時間続けるという意味のようで、常にリアルタイムの心拍数を計測するということではありませんでした。(ランニングなどワークアウト時は常時計測)

そのためか、心拍数の表示が可能なアプリやウォッチフェイスを選んでも、表示は「0」のままでしたし、現在の心拍数を知りたければ「心拍数を測定」を押して手動で計測を開始させなくてはなりません。

また、SUUNTO 5やSUUNTO 9のような、スント独自の睡眠モニター機能もなくなっているので、注意が必要です。

SUUNTO 7をおすすめする人、買わない方がいい人

スタイリッシュかつディスプレイがきれいな SUUNTO 7。

メッセージや着信の通知もスムーズで、フルカラーのオフラインアウトドアマップや音楽ダウンロード機能も利便性が高く、近未来を感じさせる腕時計です。

そのため、通常のスマートウォッチとしての使用やランニング時の活用には全く問題なく(むしろ優秀!)、おすすめです。

しかし、「心拍数の変化を常に記録したい」「睡眠のログをとりたい」という方は、ライフログがしっかり取れるGPSウォッチを選んだ方が良さそうです。


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